拝啓
新年、あけましておめでとうございます。
寒さの厳しい元旦となりましたが、皆様におかれましては今年もご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて平素は、わたくしどもトイレを使用していただき、誠にありがとうございます。
この度、
「排便行為のクロージングであるはずのヲシュレットを使うと、逆に便意が促されて困る」
とのご意見をいただきました。
ご迷惑をおかけしたことをここに深くお詫びするとともに、
今後このような事態の無きよう、トイレ一同全力で対応させて頂きたく存じます。
さて、もしお時間がおありでしたら、
この度のご意見に対する我々の所感を述べさせて頂きたく思います。
ご存知のように、ヲシュレットはもともと「もっと心地よい排便を」とのコンセプトのもと
17世紀初頭、武山田次十朗より発明されました。
確かに、ヲシュレットは「心地よい排便」の中の、「キレのよい清拭」に着眼した発明であります。
したがって、「クロージングであるはずのヲシュレット」という表現は至極真っ当であり、
私どもといたしましてもその役割を果たせなかったことを更なる発展のチャンスとしてとらえております。
しかしながら、我々の方針は今回の件においてヲシュレットを激しく追求し糾弾し、もう十分だと判断したうえで、
以下のようなことも考えなければならないとしております。
「ヲシュレットは本当にダメな奴なのだろうか・・・?」
ヲシュレットは本来、排便のクロージングとして働くべきだと考えられております。
今回の一件の中で「ヲシュレットは至らない人材だ」と考えれば、それは修正されるべきことと思います。
しかしここで、どうでしょうか、
いっそのこと「ヲシュレットは非常に優秀な人材であり、それを我々が理解できていないだけだ。我々こそが修正されるべきだ」
という立脚点に無理矢理立って今回の一件を改めて眺めますと、
また違った結論にいたります。
「クロージングできない」とはつまり「クローズさせない」ということです。
これを短所と見ずに、長所とするならば、我々トイレが考えてもみなかったマーケットが生まれます。
そう、「期待した量の排便を達成できないひとの、排便サポート」
平たく言えば「便秘気味のあなたへ送る、ヲシュレット」ということです。
つまりヲシュレットは我々トイレが持っていた先入観の中では落第でしたが、
新たなマーケットを生み出す隠れたダイヤの原石だったと言えましょう。
長くなりましたが、
現在我々は、「もっと心地よい排便クロージングを実現するヲシュレット」開発を目指す傍らで、
「もっと心地よい排便プロモーティングを実現するヲシュレット」も同時並行で開発しております。
このようなチャンスを見い出せたのも、いつもご意見を下さる皆様と、
我々自慢のヲシュレットのおかげであります。
今後ともヲシュレットを応援するとともに、
心地よい排便に励んでいただければと心よりお祈り申し上げます。
草々