WETな備忘録

できなかったときの自分を忘れないように

僕が感じていた「やりがい」という言葉のうさん臭さ

最も尊敬する友人の一人とお寿司を食ったが、それはたいそう美味しかった。目当てにしていた安くてうまいサーモンは無かったが、安くないサーモンが食えたので、それはそれでもよかった。

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未熟な「僕」と、やりがいと

4月、5月、6月、7月と、「会社」というものにちゃんと入ってから4ヶ月が経つわけだが、漠然と「未熟ですから」と言っていた4ヶ月前と比較して、状況はより明確に見えてくるようになった。それは極めて当たり前のことで。

今、会社にある仕事があって、その中で「僕」がやるべき仕事があって、その中で「僕」が今できる仕事があって、もちろん今の「僕」には出来ない仕事もあって、それぞれ「コレとコレとコレですね。あーソレとソレとアレは、今の僕には出来ません」とはっきりと箇条書きに出来るレベルで。

 

 

「何が出来て何が出来ないか」がはっきりと分からないときは、「出来ないこと」が具体的に「誰に」「いつ」「どんな」迷惑や不利益をかけているか分からなかったから、ぶっちゃけあんまり気にならないし、いわゆる危機感とか問題意識とか無かった。

そういうのが無いから、「自分はこう思う」「自分はこうしたい」とか「誰それはこうすべき」とか、無責任にも好き放題にもジャーマンスープレクス的発言ができてたのですが。

 

 

しかし今はというと、

自分が仕事が出来ないために「誰に」「いつ」「どんな」迷惑や不利益をかけているか目に見えるし、事実として理解できるだけ会社にも慣れた。

となると「出来ない」自分に腹が立つ。与えられた仕事も満足にできないのかとか、そういった感じで。

 

 

また一方で、「出来ない」という状況は極めて不安になる。会社は仕事をする場所であり、その仕事が満足にできない自分に、明日の席はあるのか。早いうちに首を切られやしまいかと不安になる。お給料は出るのかな。居場所はあるのかな、とか。

 

 

と、いうことで必死で今の自分に出来ないことを出来るようになろうとする。そうしないと明日の自分の居場所が無いから、明日の自分の生活も危ういから。

逆に言うと、マイナスからのスタートである「僕」は、「出来なかったことが出来るようになる」ことによって居場所を手に入れ、お給料をもらう正当性を手に入れ、精神衛生の良い日常を手に入れることになるのだ。

そうすることによって将来的には、会社内で注目される人材になり、会社外でもあこがれの目で見られるようになり、輝かしいキャリアーバスが(ry

 

 

待てよ、と。

僕の勃起ポイントって、そんなつまらないことだっけか、と。いつの間にか無意識的にすり替えられた・提案された「快感」なんぞによって勃起してましたか、と。あの勢い良く放り投げたジャーマンスープレクスはどこへ行ったのか、と。何も分からないときの方が、より自分が見えていたんじゃなかろうか、と。

 

「いやおちあいくんよ、そうは言うものの、会社の提示するバリューを体現してこそ社会人としての価値だし、それが楽しさでしょうよ。そして会社の業務を通じて世界全体の経済に貢献するのが我々のやりがいじゃないか。」

 

やりがい、って何ですかね。美味しいんですかね。就活していたときに「やりがい」という言葉を聞くたびに感じていた不快感を、身を以て知った気がする。「やりがい」は提示され、見つけ、しかし到達できず、努力して獲得していくものであり、いかにも有意義な時間であり、家畜の餌なのかもしれない。空腹を強要され、その後に与えられる美味しい配合飼料のようなものか。

 

その配合飼料のひとつなのかも知れないが、僕は新人研修のために来てくれた講師が、一週間に及ぶプログラムの最終日に言っていたことを忘れていない。

彼はこう言った。

「皆さんが、皆さんの会社に入って何がしたかったかを、絶対に忘れないでください」

「目の前の仕事に追われ、それを消化することに精一杯になるでしょう」

「消化できなくて疑問を投げかけたくなることもあるでしょう」

「しかし、そもそも何がしたかったかを忘れないでください」

「その上で目の前の仕事に全力で取り組むこと」

「その二つは遠いようで、必ずいずれつながりますから」

と、彼がそう言ったとき、微かに後悔のような表情を見せたことも、僕は覚えている。

 

 

ここにきて改めて、僕の就活を変えた黒猫の言葉を思い出します。

初志を思い出し、" stay reactive " の精神と共に、

常にかっこいいジャーマンスープレクスを繰り出すオナニストであり続けたいと、

僕は思うのです。

 

 

持つべきものは、尊敬すべき友人だとも、僕は思うのでした。

 

 

あんまりまとまってないけど、

 

WETな備忘録として