WETな備忘録

できなかったときの自分を忘れないように

【1冊目】イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

このエントリはa book a week 2014の1冊目です

目次(読了3分)

  • 今回読んだもの
  • この本のスタートライン
  • この本の構成
  • 生産性とは
  • というのも

今回読んだの

 これ多分読むの3回目くらいだと思う。でも、読むたびにうなずくポイントが増えるので「読書の理解とは自らの経験の反芻でしかない」ということを毎度痛感する。

 ロジカルシンキングとかクリティカルシンキングという点で僕が大きく影響を受けた人は3人いるけれど、本で言うならダントツでこの1冊になると思う。というか、会社でもどこでも、僕がエラそうに何か言うときは前述の3人かこの1冊の受け売りでしかない。という意味で、a book a weekの記念すべき1冊目としてまあ相応しいチョイスだったっぽい。

 この本に書いてある内容について所感を述べるのもまあいいと思うんだけど、最初から飛ばすと2冊目以降ハードル上がるし、ちょっと慣れない切り口でサクッと紹介します。

この本のスタートライン

 この本のスタートラインとなるのは

  • 「知的生産において圧倒的に高い生産性を出すにはどうすればいいのだろうか?」

という疑問だ。そしてもちろんそこに、序章で、

  • 「知的生産において高い生産性を出すには確立された方法論がある」

という仮定を提示し、その根拠と実践を説明していくことになる。これは良くあるロジカルシンキング本の導入の構成だけれど、今回はじめて気付いたこの本の面白さは、その実践方法の「並べ方」つまり、この本のその内容構成そのものだった。

この本の構成

 この本は大きく分けて5つのセクションからなっていて。しかしもっと大きく分けると以下の3つになる。

  • 問題の本質を見極める(イシュードリブン)
  • 仮説を磨き上げる(仮説ドリブン1,2)
  • データを収集しそれを分かりやすく伝える(アウトプット、メッセージドリブン)

実は、この並びこそがこの本で伝えたい事のミソのように今回僕は見えた。というのもこれが、

「集めてから考えない。考えて仮説の質を上げてから、集めて確証を得る」

という流れそのものなのだからだ。

生産性とは

 生産性とは、あんまり考えないで思いつくまま言うと、生産性とはコストパフォーマンスだ。で、コストパフォーマンスって、パフォーマンスに直結しないコストを支払うことでみるみる落ちて行く。この「支払うコスト」の最たるものが「時間」と「労力」だ。

 問題が浮上しこの答えを見つける必要があるとき、よく人はデータを集めてからそこから答えを導こうとするけれど、これは言うなれば

  • スナイパーが360度の遮蔽物の有無を確認してから銃を構える

というような行為に等しい気がする。対して「考えて仮説の質を上げてから、データを集めて確証を得る」というアプローチは

  • 狙撃に最適な場所を模索し、暫定最良ならターゲットとの遮蔽物があるか確認する

という比喩になる気がした。「遮蔽物の有無(論を否定ないし肯定しうるデータ)の確認(収集)」に割くコストは当然後者の方が少ない。もちろん遮蔽物がある場合もある。その場合は狙撃ポイントの模索を再開すればよい。だとしたところで、前者よりも後者の方が「生産性」が高いように僕には思える。

というのも

 というのも、この本のほんの序章〜導入部分で説明されていることだ。この後この本は

  • 問題の隠れた本質を見つけるフレームワーク
  • 仮説の立て方、磨き方、作り直し方
  • 伝えたい事から集めるべきデータの決定
  • ストーリーラインとメッセージング

といった内容を、かなり実践的な形で紹介している。特に後半はプレゼンテーションの方法論に近いものが多く、直近の僕が必要性を感じない部分だったので、僕自身の理解が浅いと思う。

 そんなこんなで、多分僕はこの本をまた1年後かなんかに読み直し、また別の体験の反芻をすることになりそうだと思った。

1冊目おしまい