WETな備忘録

できなかったときの自分を忘れないように

大洗に行ってきた

ガルパン」ことガールズ&パンツァーの聖地巡礼をしてきました。

「キャラパネル」というのが町中に置いてあるので、それを巡ってみました。店舗の中の人となるべくお話をするように心がけました。とりあえずインタビューテンプレ的には

  • お客増えましたか?それが売り上げに直結しますか?
  • アニメに抵抗はなかったですか?全話見たことあります?
  • この熱がずっと続くわけではないと思いますが、展望とかありますか?

とかとかその他雑談。アニメを使った地域ブランディング(町おこしとも言う)の実情のお話をいろんな角度から聞けて、かなり面白かったです。

まとめ

冒頭の通り、パネル置いてる店のひとや、ふつうにその辺歩いてるひとにインタビューをして、多くの知見が得られました。

「地元商工会から企画が来たとき、アニメを知っていた店舗はほぼ皆無、募集に手を挙げたのは枠の半数くらいだった」

最初はやっぱり認知されてなくて「え、何わたしたちの町がアニメに使われてんの?ふーん」という程度だったという。また「アニメ」に対して(無理もない)安直な誤解をしてたりして嫌悪感を持つ人や、「戦車」というモチーフにイデオロギー的な嫌悪感を持つ人も、ごくわずかだがいたとのこと。

「商店街を歩くひとは単純に0から100倍になった」

0をn倍しても0なのだがそれは。というツッコミはさておき。漁港と田んぼしかないような、お年寄りしかいないような地域であったが、ガルパンとのタイアップを境に、道を若い人が歩くようになった。「道を若いひとが歩く」という現象がそもそも珍しかったかのような表現が多く見かけられた。また、ガルパン目当てに来る青年達はみな礼儀正しい、とも言っていた。

「最初に手を上げなかったことを、今では悔しく思っている店主達もそこそこいる」

「アニメ何ソレ?」だったのに、キャラクターパネルを置いたとたんワケも分からず客足爆増なのだから、これは無理のない後悔だと思う。また「町を歩かせたい」という企画の狙いもあり、あまりパネル配置店舗を位置的に散在させるわけにもいかなかったため、候補にすら入らなかった店舗・地域もあったらしい。それ故に、キャラパネル配置後に不公平感が生まれるのも、致し方ない問題なのかもしれない...

「タイアップを上手く活かせてない店舗も多いが、それも工夫次第、上手くファンを巻き込む」

やはり全体的に、食材(鮮魚・精肉など)や一品もの(菓子・干物など)の店が巧くお客をキャッチできている印象があった。一方、たとえば定食屋は「何件も回れるものではない」などの理由で、理髪店や日常用品店は「即日で来たオタクに提供できるものが無い」などの理由で、売り上げに直結する客を引き込めていないような印象だった。中でも「おもちゃ屋さん」が攻めあぐねているのが印象深かった。そんな中、意外な工夫を凝らして売り上げを作っているエピソードも見受けられた。たとえば接骨院なのに「救急グッズ」を企画したり、呉服屋で企画タオルをつくったりなど。中には、ファンの人とコミュニケーションをして企画を持ち込まれたり相談したりしているというところもあって、「町おこし」でもたされるのは「お金」だけじゃないんだなと感じた。

「大洗は良いところ。それを知ってもらえれば嬉しい」

酒屋兼BARのマスターが把握しているだけでも「移住した」という人が6人いるとのこと。ということは、彼が把握していない範囲でもっといるのではないだろうか。「お金を落としてくれるというのももちろん関心事だけれど、それ以上に人が入って来てくれるのは何よりも良い」と言っていた。3年前の震災によって少なくない影響を受けたという。「おじいちゃんおばあちゃんばっかりになっちゃって、若い人なんて探さないといないくら」「でも今は普通に若い人を見かけるようになった。活気が生まれた」「新しいものが生まれるようになった」。今回いろいろな良い話悪い話も聞いたけれど、差し引き圧倒的に好意的な意見が多く、アニメでこういう変化があるのなら、それは凄いことだなぁと思ったでござる。

おまけ

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なお当方、冷泉麻子推しです

WET